腎臓内科診療
腎臓内科とは腎臓病診療を専門とした内科です。当院では蛋白尿や血尿の検査から慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿病性腎症、多発性嚢胞腎等、慢性腎臓病(CKD)を引き起こす疾患、CKDや末期の腎不全と診断された方への人工血液透析治療など腎臓に関する疾患に幅広く対応し、的確な診断と適切な治療を行なっています。
腎臓の働きと機能
腎臓は腰の上あたり、背中側に2つあり、握りこぶし程大きさで血液のろ過し老廃物や余分な水分・毒素等を尿として排出します。それ以外のも水分と塩分の排出をコントロールする事で血圧を調整する等、常に私たちの体内を最適な環境にする機能を持つ大切な臓器です。
腎臓の不調は自覚症状が少なく静かに進行していきます。腎臓の機能は一旦低下すると戻りにくく、末期の腎不全になってしまうと自然に回復する事はありません。手遅れにならない為にも早期発見、早期治療が人工透析を回避する最善の対策になります。
慢性腎臓病(CKD)と末期腎不全
慢性腎臓病はCKD(Chronic Kidney Disease)と呼ばれ、慢性に進行する全ての腎臓病の事を言います。進行すると慢性腎不全を引き起こす要因となります。CKD発症の原因には様々な要因がありますが主に高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が代表的です。その中でも特に高血圧と深い関係があります。
CKDの診断方法
eGFRの測定によってCKDの診断を行います。eGFRとは血清クレアチニン値をもとに糸球体濾過量を推定されるものでか糸球体濾過量とは簡単に説明すると、フィルターの役目をする糸球体が1分間の間にどれだけの血液をろ過して排泄する能力があるかどうか示す指標で、つまりは腎臓の機能の働き具合を調べる診断方法です。
eGFRの検査結果が60mL/分/1.73㎡未満の場合はCKDを疑います。これ以外にも尿検査の際に尿に含まれる蛋白量、画像診断や血液検査等の病理診断で腎障害が明らかな場合にもCKDを疑います。
これらの状態がどちらか、あるいは両方とも3ヶ月以上続く場合はCKDと診断されます。 CKDは数値毎に5段階にステージ分けされており、ステージ1を最も軽症とし、ステージ5への移行で腎臓が殆ど機能しない末期腎不全となり腎代替療法が必要になります。腎代替療法とは腎臓そのものの提供を受ける腎移植、腎臓機能の代わりを担う人工透析療法の2つになります。
慢性腎臓病(CKD)と末期腎不全
CKDは初期ではほとんど症状がありません。初期の段階でCKD を発見するにはeGFRや尿検査等の治療症状が現れる時には病気がなり進行している可能性もあります。以下は代表的な症状です。
- むくみがある
- 尿が濁る、泡立つ
- 就寝中、尿意を感じ何度もトイレに行く
- 慢性的な疲れ、疲れやすいと感じる
- 立ちくらみやめまいを起こしやすい
末期腎不全と診断されたら
進行を防ぐことができず末期腎不全と診断されてしまったらどうしたらいいのでしょうか?残念ながら機能を失ってしまった腎臓は元に戻す事はできませんので腎臓機能の代わりを果たす腎代替療法が必要になります。
日本ではそのハードルの高さから腎臓移植が行われるケースは少なく、ほとんどの患者様が人工透析療法を選択しています。末期腎不全への進行を防ぐためにも初期の段階での発見と治療が重要です。